logo
::
2023-12-09

64bitセンセーション

#アドベントカレンダー

この記事は、大阪工業大学 Advent Calendar 2023の10日目の記事です[1]
アドカレのネタ何がいいかな~ってアンケとったんですが、ネタ候補がダントツで投票されてて困惑しました[2]
まあいいけど。というわけで…

<img src="/static/images/poem.png" width="65%" alt="私が、ポエみます!" />

Attention!

本投稿はノンフィクションです。
登場する人物、団体、設定は全て実在のものです。
本投稿を18未満の方が閲覧することは可能です。

Prologue

とは言っても別におすすめのゲームを紹介するわけじゃなくて[3]、業界全般的なお話です。
今クールで16bitセンセーションという90年代の美少女ゲーム業界を題材にしたアニメが放送されている[4]んですけど、その中で主人公のコノハちゃんが美少女ゲームはもっと広まる的な事を言ってたんですね。
この話のときは多分Kanonの時代なので1999年ということで、下のグラフ[5]を見てもらえるとわかるんですが、業界の最高潮の時期だったと。

sales-graph

まあそんな時代ですから美少女ゲーム業界がどんどん拡大していく様に見えたのですが、現実はそうもいかず…
そんなわけで、レトロスペクティブってわけじゃないけど現在から見た美少女ゲームの栄枯盛衰を振り返ってみようかなと。
まあでもリアルタイムに生きていたわけでもなく、そんなに昔の業界のことを知っているわけでもないので過去のことよりこれからどうすれば復活できるのか的な観点で書いていきます。
ちなみに過去のお話はファミ通の記事に結構詳しく書かれています。沙織事件とかにも触れていて結構詳しく書かれているので是非。

復活√

でどうやったら復活できるのかということなんですが、正直日本国内だけで商売している限りは先はないと思っています。
これはどの業種にも言えることですが人口が減って行っている国での需要は限られたパイの奪い合いでしかないんですよね。
で、しかもあまり社会から歓迎されないジャンルなわけですからより一層厳しいので、まあ衰退するしかないよねってなるわけで。
国内では回復する見込みが薄いので海外、特に中国と英語圏に活路を求めるのが一番復活への道が近いのかなって思っています。
日本の人口1億人に対して英語圏15億人と中国14億人で考えたら市場規模は単純計算で30倍近いわけですからチャンスも30倍近くあるわけで。

海外でバク売れした作品でいちばん有名なのはネコぱらですかね。

<a href="https://store.steampowered.com/app/333600" target="_blank">
<img src="https://store-jp.nintendo.com/dw/image/v2/BFGJ_PRD/on/demandware.static/-/Sites-all-master-catalog/ja_JP/dwe8e91507/products/D70010000035619/heroBanner/2be7adf0209a50c78aa3d7842ddd8fc41930f13e11e7e0d1e490f642e9f9a51c.jpg?sw=1368&strip=false" width="50%" />
</a>

2021年時点で500万本売り上げている[6]化け物です。
フルプライスと980円の商品の単純比較は出来ないですが、往年の名作Fate/stay nightでも総売り上げが60万本[7]なので、文字通り桁違いです。
で、このゲームの主な購買層は「売上の内の9割が海外で、さらに地域別でみると中国が圧倒的に多い」[8]とのことでやはり海外勢が買い支えていると。

事例はこれだけではなく、泡沫冬景という~日本じゃほぼ無名の~作品があるんですが、これも中国で50万本以上売れている[9]んですよね。

<a href="https://store.steampowered.com/app/1049100/_/" target="_blank">
<img src="https://www.4gamer.net/games/522/G052231/20200731110/SS/001.jpg" width="50%" />
</a>

ちなみに↑の作品の次回作である神の国の魔法使いという作品では日中共同制作となっており、CVとかも一部中国の方を起用していたりします。
Keyを傘下に持つビジュアルアーツもテンセント傘下になったり[10]しているので今後益々中国資本の支配力というのは高まっていくのではないかと思っています。

またSteamで売っているCLANNADも9月の単月で1.5万本売り上げていて[11]、CLANNADがレジェンド的作品とはいえ初版が2004年のゲームが未だに売れ続けているのも普通にすごいですよね。

<a href="https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000016445.html" target="_blank">
<img src="https://store-jp.nintendo.com/dw/image/v2/BFGJ_PRD/on/demandware.static/-/Sites-all-master-catalog/ja_JP/dw0ea489d3/products/D70010000016445/heroBanner/66f1bb0652cf63843816e244f2d134f06d94414de0a31de29b2db405c4376659.jpg?sw=1368&strip=false" width="50%" />
</a>

後は千恋万花も最近40万本達成した[12]作品です。
こちらは日本でも結構有名なのでそこそこ売れているとは思いますが、憶測ですが海外圏の比率が高いんじゃないでしょうか。

<a href="https://store.steampowered.com/app/1144400" target="_blank">
<img src="https://i.ytimg.com/vi/eM7MsN8S3ok/maxresdefault.jpg" width="50%" />
</a>

Epilogue

とは言っても個々に上げた作品はあくまで成功例であってもちろん英語や中国語に翻訳した作品でもそこまで売れていないやつもあります。
まあ翻訳もお金かかるし、作品の制作費だけでも精一杯のブランドが多い中でどれだけ対応できるかという話になってきて、更に昔無許可で海外で売られた挙げ句その国の議員に取り上げられ、日本に抗議してくるとかいう事件もあったので、海外進出に慎重になる理由もわかるんですけどね…

兎にも角にも海外(特に中国)での美少女ゲームの需要自体は確実に高まってきているので今後どれだけ海外勢を伸ばせるかがこの業界の存続にも関わってくるのではないかなとー思っています。

本当はクラファンとか、中古とか、割れとか、ソシャゲの話とか書こうと思ってたんですけど力尽きました(┐「ε:)_
気力があればそこらへんの話も書きたいですね。
それでは~

脚注
  1. はつゆきさくらやってたら思いっきり遅刻しました。すいません(._.)。 ↩︎

  2. 技術系は25日に投稿予定です。 ↩︎

  3. ちなみにおすすめはサマポケです。 ↩︎

  4. 普通におもしろいのでオススメです。 ↩︎

  5. http://www.sofurin.org/htm/about/results.htm より ↩︎

  6. https://twitter.com/nekopara_pr/status/1465238860942614528 より ↩︎

  7. https://twitter.com/07Einnashe/status/1713906250294141373 より ↩︎

  8. https://news.denfaminicogamer.jp/interview/171025 より ↩︎

  9. https://www.bugbug.news/b_game/63413 より ↩︎

  10. ここでVAがテンセント傘下になったことについてお気持ち表明しておくと、個人的には一番無難な選択肢じゃないかなと思っています。正直国内でVAを養えるほどビジュアルノベルに理解があり、かつ体力がある企業ってほぼないと思うんですよね。ただ大本の国がゲームのライセンス発行をなんの告知もなしに半年止めるとか平気でやる所なので懸念がないといえば嘘になるんですけどね… ↩︎

  11. ビジュアルアーツ年末特番で馬場相談役がポロリしてました😂。 ↩︎

  12. https://twitter.com/yuzusoft/status/1716729495305294018 より ↩︎